社長のしごとって、ケチることと投資判断なんだろうね
会社員時代から、よくこんなことを耳にします。
「うちの社長って、ケチなんだよね」とか、
「この前、割り勘だったよ」とか…。
そういう話を聞いてしまうと、これがうちの会社のトップか、と。
どうしてもそんな風に考えてしまうものです。
社会人になって、そろそろ15周年を迎える私ですが、
これまでの経験上、あくまで所感ですが、
羽振りがよい社長は結構な確率で消えていっているような気がします。
逆に言えば、ケチな社長はかなり生存率が高いです。
やっぱりお金って、便利じゃないですか。
よく政治家がばら撒きをやって批判を受けますが、
求心力を高めるためには、お金をチラつかせるのが、
結局、もっとも簡単で効果の高い手段だと思う訳ですよ。
ばら撒きは批判の対象ですが、これが実際に貰う側になると、
「良い人だな~」「男気があるな~」なんて、
貰う人って、都合よく考えてしまうものなんですよ。
だから自分の周りには、どんなに不景気でも羽振りの良い人が存在します。
ケチって、それぞれに考え方や先入観があるでしょうが…。
個人的には、ケチは才能だと思っています。
お金を使わなければ、人を束ねられない人と違い、
ケチなのに求心力がある、それはとても魅力的なことです。
そしてケチな人でなければ、お金を貯めることはできません。
とある調査で、所得が1,000万円の世帯と、500万円の世帯では、
実は500万円の世帯の方が貯蓄が多いというレポートがありました。
これ面白いなって、思ったんですよね。
結局、収入が多い人は浪費も比例して高まる訳なんですよ。
だからついつい「いいよ、ここは俺が出すから」となるのでしょう。
私はずっと個人事業主ですが、もし自分が社長業をやるなら、
もっともっとケチ力が必要だなって、思うようになってきました。
ケチじゃなければ勤まらない、職種だと思ったからです。
日本の財政がずっと赤字で国債を発行しているのも、
国会議員が国民に変な気を遣い過ぎて(当選するため)、ケチ力が欠乏しているのだと思うんです。
ただ勿論、ケチなだけではいけません。
ケチケチ貯めたお金を、投資するタイミング・判断が重要です。
要はお金の使い方が上手い人こそ、社長業に向いていると思うんです。
普段は節約しまくっていて、小金を貯めているんだけど、
ここは勝負だって思ったポイントでは、一点集中で投資判断ができる。ここが重要です。
私はそもそもが浪費癖があるタイプの人間ですので、
ここ数年は、ケチ力を鍛えるように意識しています。
この自販機で150円のペットボトルを買うのか、
信号の向こうまで歩いて、ドラッグストアで100円の同じ品を買うのか。
実はこんな細かいポイントからも経営センスは試されているものだと思います。
誰かに「ケチだね」と言われると、まずまず傷付きますが、
ケチでなければ経営は務まらないので、ケチ力はやっぱり重要ですね。