「アーティストのチケットって高騰したね」って話。
音楽の産業って、結構昔からフリーミアムのような部分があり、
今では、楽曲はyoutubeでも何でも良いので、まず聞いてください、
そのかわりライブに来てください、できればグッズも買ってください。
そんなアーティストがここ数年で一気に増えています。
中でも来日アーティストのチケット代は顕著にあがっています。
15年前にいったローリングストーンズの大阪ドームは、確かS席10,000円でした。
それが今回の来日では、S席18,000円でしか買えない訳です。
ゴールデン・サークル席なる、ステージ花道を囲む良席は80,000円もします。
ちなみに私が15年前にいった時は、良席でダネルのピックをゲットしました。
いま考えれば、きっと80,000円の良席に高校生の私は座っていた訳です。
つい15年前から、価値が8倍に飛躍としているといっても過言ではありません。
その一方、違法ダウンロードがえげつない南米では、
違法ダウンロードを逆手に収益をあげているバンドもあります。
アイアン・メイデンのようなバンドがそれにあたります。
世界を代表するイギリスのヘヴィメタルバンド「アイアン・メイデン」は、世界中から楽曲が違法ダウンロードされ、その対処に困っていたそうです。
そこで彼らは、違法ダウンロードした人を控訴するかわりに、最も違法ダウンロードが行われている国へ行き、そのエリアでライブを行うことにしました。
これまでネットでしか聴けなかったバンドがライブに来るということで、音楽ファンは大喜び、ライブはソールドアウトし、バンドはグッズ販売などから大きな収益を上げたそうです。
特にアイアン・メイデンが違法ダウンロードされていたのは南米で、バンドは主にこれらの国で重点的にライブ活動をしてきました。その結果、サンパウロではライブはソールドアウト、その日のライブだけでバンドは258万ドルの収益を上げたそうです。
とても合理的です。このスキームならば収益は拡大するでしょう。
韓流ドラマがコンテンツの放映権を安く設定して、東南アジアや南米で人気になっているモデルにもダブります。
日本の場合、映画の上映だけでは回収できない製作費を、DVD販売で賄おうというスキームが一般的です。
このモデルもほぼ半壊している今こそ、パラダイムシフトすべきタイミングなのでしょうね。
ローリングストーンズやアイアン・メイデンは、高いチケット収益が担保されていますので、
ある程度、フリーミアムモデルでも回収できる見込みはありますが、
これがフリーミアムでは回収できないランクのアーティストであれば、
これとは違った事業モデルを再考案する必要があります。
賛否はあるでしょうが、韓流コンテンツの売り方にこそ、ヒントがあるように思えます。