「夢」「金」「安定」 あなたなら何を求める?
パートやアルバイトが退職しやすい、働き始めてからの期間
入店1週目に辞める人が多い店は
「入店しても、何も教えられずに放置された」
「ベテラン中心の人員構成で、職場の輪に溶け込めずに孤立した」など、
アルバイトの受け入れ体制が確立されていないケースが多い。
入店4週目に辞める人が多い店は
「面接で聞いていたことと、実際の仕事の間にギャップがある」
「店長が忙しすぎて、仕事をきちんと教えてくれない」など、
入店前に抱いていたイメージと実際の仕事の違い。
入店8週目に辞める人が多い店は
「店や仕事内容に飽きてしまった」
「新しい仕事を覚えたいのに担当させてもらえない」など、
やりがいを見つけられないケースが主で、
「店や先輩スタッフに魅力が感じられない」
「ここで長く働いても知識やスキルは伸びないし、給与も上がりそうにない」だという。
もし自分がこれからアルバイトとして、
どこかで働こうかと考えたとしたら、
こんな風に考えるのが、妙に納得できてしまいます。
さて、これが就職など、会社や組織になるとどうでしょうか。
会社や組織は「生き物」です。
経営者がいて、その下に従業員がいて、組織として生きています。
私が考える会社や組織として、
先ほどの入店1週目、入店4週目、入店8週目で例えるならば
1年目 夢を抱くフェーズ
↓
4年目 お金を求めるフェーズ
↓
8年目 安定を求めるフェーズ
こんな感じでしょうか。
だいたい3年目くらいまでは、経営者が従業員に夢を語り
「会社の魅力や自分の魅力を感じてもらうい」
「ここなら知識やスキルが伸びそうだ」と感じます。
ある程度は、それで人が付いてきてくれます。
しかしそこから7年目までの3年間は、それではもちません。
「これだけのことをしているんだから」
「ここまでコミットしてやりますから」
成長したい欲求から、その対価を求める欲求に変わります。
そしてそれ以降のフェーズでは、
「この会社なら将来が安泰だ」
「この経営者の方針で、時代の流れに適応できるだろうか」と、
様々な思いを巡らせながら、人は安定を求めます。
自分は「人が働きたいと思うためには…」と、いつも考えているのですが、
その原点にあるのは、この「夢」「金」「安定」の3つです。
会社は従業員に対し、このうちの何を提供できているのだろうか?です。
立ち上げたばかりのベンチャーには「夢」があります。
でも「金」も「安定」もありません。
成長著しい有名なベンチャー企業には「金」があります。
でも「夢」は過ぎ去り、まだ「安定」にまでは至りません。
逆に公務員のようなお堅い仕事には「安定」があります。
でも「夢」も「金」も満たされることは少ないでしょう。
人間にとって本当にどれが幸せなのか?は、一概には言えません。
しかし大切なのは、会社と従業員が「いま自分たちがどこにいる」
そして「これからどの方向へ向かっている」ということを、一致させることです。
離職率を下げるため、新しいフレッシュな戦力を獲得するために、
大切なことは、ちょっとしたこういう相互認識だったりするのではないでしょうか。